医療法人設立のメリット・デメリット 税負担の軽減など
小澤事務所が医療法人設立をサポートします
診療所の経営を個人事業として行うか、医療法人として行うかについて、様々なメリット・デメリットがあることは多くの書籍やホームページでも言われています。
節税策としての法人成りは、医院の資金にゆとりを生み次の医療の設備投資へと導くのも確かです。
しかしながら、医院を経営するのは先生ご自身です。
今後の貴医院の方向性を考えながら御検討頂く一助となればと考えます。
医療法人設立のメリット
院長先生が役員給与をとることにより、給与所得控除〔サラリーマンの経費部分〕分をとることができる。
経費の合法的計上分
親族に医院の経営に参加する〔役員に就任〕ことにより専従者給与以外に親族に役員報酬を支払うことができる。
所得の分散
税率の違い
〔個人〕 所得税の最高税率40%
住民税 一律10%
⇒
所得税は累進課税であるので、課税所得1800万円の場合24.4%+10%=34.4%
課税所得2000万円の場合26%+10%=36%
〔法人税〕800万円以下22%(平成21年4月1日から平成23年3月31日までに終了事業年度は18%)
800万円超30%
法人県民税 法人市民税
⇒
実効税率 800万円以下 21.24% 〔25.9%〕
800万円超の部分 35.4%
税率の差異を利用した税負担の軽減
医療法人にすることにより院長、奥様に対し、退職金の支給が可能になる
個人への資金移動が低税率でできる。
法人で生命保険〔定期保険〕に加入すると支払保険料の1/2から全額を費用処理できる。
個人では支払金額の多寡に関わらず、控除できる金額は最高10万円
介護事業を行うことが可能となる
業務の拡大
円滑な世代交代が可能になる
医療法人設立のデメリット
厚生年金へ加入することにより、社会保険料の負担が増加する
⇒ 厚生年金への加入をメリットと見るかデメリットとみるかは考え方により異なります。費用負担の面では個人・法人ともにデメリットとなるが、福利厚生の一環と考えることもできる。
一度法人になると、個人事業には戻れない
⇒ 一般法人であれば、個人へもどることができるが医療法人は不可〔廃業しかない〕
剰余金の分配ができない
⇒ 利益が出ても配当ができない 〔会社ではなく営利を目的としないため〕
残余財産の分配ができない
⇒ 解散する際に法人に剰余金があったとしても出資者への払い戻しが認められない
ただし、事前に役員報酬・退職金等で支払うことにより医療法人に財産を蓄積しないようにするのは可能
法人では交際費の10%が費用にならない〔400万円まで(600万円)〕
役員への利息計上
個人事業では医院の金銭を院長が個人的に使っても「資金の異動」に過ぎないが、
法人では「役員貸付金」となり利息を支払わなければならない。
県への報告事項が増加する
決算後に『総資産登記』をしなければならない
事業報告書等を県に提出しなければならない。
決算書の概略が県で公表される。
若干の経費が架かる
医療法人設立時において費用がかかる
60万円前後
税理士報酬が若干増加する