マクドナルド裁判・・・名ばかり管理職
日本マクドナルドの直営の店長の、いわゆる『名ばかり管理職』にについて、8月1日付で残業代を支給するなどの制度改正を行うと発表がありました。
労働基準法41条2号に定められている『管理監督者』について、今まで争われた裁判の判例をみると、次の3つの要素に判断基準が絞られるようです。
- ?経営者との一体性・・・・職務内容、権限、責任は?
- ?労働時間管理の状況・・・・勤務態様は?
- ?賃金等の待遇
?の判断要素は、管理監督者として、
『会社全体の経営方針等を決定する強い権限を持っている』
ということが求められるようです。
経営会議等に参加している管理監督者であっても、単に経営方針の説明や営業報告を聞くだけの出席であったり、発言する場を与えられていても、それが経営方針等の決定に影響しない場合などは、『管理監督者』と認められない・・との判例が出ています。
上記のほかに、マクドナルドの店長の場合、
- アルバイトの採用や時給を決める権限があるものの、店長候補になりうる社員の採用の権限はない・・・
- アルバイトや社員の人事考課を行うものの、上位の社員に関しては最終決定権限はない・・・
- 店舗内のシフト決定や損益計画の作成などの一定の裁量はあるものの、営業時間の設定、メニューの価格設定、仕入れの選定などには裁量がない・・・
といった点も、『管理監督者』と認められない要素のようです。
過去の判例から、?の勤務態様が自由に決められる自由裁量性があり、?の賃金が一般社員と比べ優遇されていた場合であっても、?の経営者との一体性が認められない場合は『管理監督者』として認められない・・・ようです。
管理監督者の定義って・・・
上層部の役員クラスぐらいじゃないと、当てはまらないようで・・・。
ただ、部下を率いて、店舗運営や事業推進を自分の裁量で切り盛りするよう、管理者として任されることは、モチベーションをあげ、仕事の効率化につながるのも確かです。
私も以前、小売店の店長を任されていた経験があります。
シフト決定やバイトの採用、売上予算の作成・管理、損益計算中の販売管理費など、人件費にかかわる管理等もある程度任されていました。
マクドの店長のような管理監督者扱いではなく、残業代は支払ってもらえる立場でしたが、限られた人件費の枠を達成するため、ギリギリのシフトとなり、サービス残業やサービス休日出勤は当たり前でした。残業代を申請すると人件費がはねあがり、人事評価に直結するので、申請しづらい空気がありました。
中間管理職のつらい立場・・ってやつです
マクドの店長も、管理監督者ではあるものの、結局は中間管理職。
難しい立場だと思います。
今回の制度改正では、残業代は支払われることになったものの、36協定の範囲内とすると、月45時間までの残業しかできないこととなり、実際の現場では見えないサービス残業が蔓えいするのではないかなぁ・・・と思います。
久しぶりにマジメに書きました
K.O