雇用の問題
2010.11.20
社労士 労務
先日、大学生の就職内定率が57.6%で1996年以来極めて低調というニュースがありました。
大学生の内定率も、正社員の雇用率も低下しています。
最近、父と飲んでいるときに出た話で、父は最近まで市役所で働いていたのですが、市役所でも半数以上の職員さんが非正規雇用なんだそうです。
現在の日本の雇用状況により、行政が積極的に雇用を促進しなきゃいけない観点から、非正規が多くなっているんじゃないの?と私は思い、聞いたら、そうではなく根本の原因は財政難で、正職員を雇う余裕がないからだ、ということでした。
どこの世界も一緒なんですね
父が危惧していたことは、非正規の職員さんといえど、正職員さんと変わらず、むしろそれよりも優秀な働きをしているのに、期間満了で職場を去ってしまう事。
結果的に、市民サービスにつながらず行政としては衰退する一方なのだと言っていました。
民間の企業でも同じです。企業にとって、労働力は供給されても、企業の真髄が継承されていかない。
でも、人件費を削らなければ、利益は生み出せないということも、ひとつ。
私達も、顧問先様で人を雇われるときに、「正社員で雇って、経営的に大丈夫ですか?」と心配してしまいます事業主にとっての本音だからです。
難しい問題です・・・
今、政府では雇用促進税なるものが検討されているようです。
これは、雇用の増加と法人税の減額を結びつけたもの。
案を見た限りでは、失業者数の減少には多少の効果があるかもしれないけど、非正規の問題解消にはつながらないなぁと感じました。もちろん、法人税の優遇措置がどの程度となるかにもよると思いますが・・・。
なかなか一本筋では解決できない問題だからこそ、社会全体で考えなきゃいけないですね
K.O